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真岡市荒町にある“世界一を目指すかき氷”「寿氷」

掲載日: くらし人
真岡市荒町にある“世界一を目指すかき氷”「寿氷」

寿氷 店主 比氣 寿さん

栃木県東部に位置する真岡市は、SLや木綿、イチゴの産地としてよく知られる街です。ここ、荒町周辺はその昔、門前町や花街としてにぎわいをみせていました。今はその趣が残る古い街並みに、古民家を再利用したカフェや雑貨店などのお店が立ち並び、若者が注目する人気スポットとなっています。今回は“世界一を目指すかき氷”を通じて、街おこしに励む「寿氷」の店主・比氣さんにお話しをお伺いしました。

古い街並みの魅力に引き寄せられて

大学進学を機に上京した僕が、この街にUターンしたのは30歳の時。長男なので、親の面倒や3代続いている食品卸の家業を継がないと、という思いがありました。意を決し、地元に戻ってきたものの、都会での暮らしに心残りがあり、完全な「東京ロス」(笑)。しばらくは毎週のように、東京に遊びに行っていました。しかし、徐々に地元で新しい友人ができはじめ、見慣れた景色のなかに今まで気づかなかった、自分の“好きなもの”が見えてきて、少しずつ考え方が変化していったのです。

 僕の地元である真岡市の荒町周辺は、古くはお寺の門前町で「長蓮寺」や「般若寺」、「海潮寺」など市や県の指定文化財が点在します。さらに大正から昭和にかけては、花街としてにぎわいをみせていたそうです。しかし僕が育つ頃の景色はというと空き家が目立つようになり、東京から戻ってきた当時も時が止まったまま。趣のある古い街並みの味わいは大切にしたいと感じながらも、さびれた風景に魅力を感じることはなく過ごしていました。

そんな時、この古い街並みの魅力を教えてくれたのが、現在ここ門前地区の古民家で古家具店を営む仁平さん。仁平さんの影響を受けた仲間たちが、空き家となっていた建物でお好み焼き屋や雑貨屋を次々とオープン。昔からある門前町の風情は残しつつ、新しい命が吹き込まれていく様子をみて、僕もその魅力に引き寄せられていきました。

日本一の高さの弁財天を祀る、市指定文化財の「長蓮寺」
門前の街の魅力を教えてくれた仁平さんが店主を務める「仁平古家具店」

かき氷をやろうと思ったきっかけは真岡のイチゴ!

当時、東京から戻り家業を継いだ僕は、約10年ほど青年会議所活動も行っていました。この活動や仁平さんとの出会いもあって、「この街に人を呼ぶために僕ができることは何か」を考えるようになりました。そんな時、湘南にある、かき氷屋さんで、自分の進むべき道がひらめいたんです(笑)。

真岡は日本一のイチゴの生産地。その日本一のイチゴとかき氷を組み合わせたら、きっとものすごいことになるはずと。食品卸業からかき氷屋に転身して早5年。その思いが徐々にかたちとなり、ありがたいことに県外からも足を運んでくれる方も増えてきました。

年に2回ほど、わざわざ北海道の網走からかき氷を食べに来てくれる女子大生がいたんです。実はこの方、今ではなんとこの街の住人。かき氷を目的に何度か訪れるうちに、この街の雰囲気を肌で感じ、住んでみたいと思うくらい好きになってくれたんです。

リピーターのお客様も増え、僕の店が、真岡に来るきっかけになっていることが、嬉しいですね。これがまさに、僕が目指していたことなんだと思います。

農家から仕入れた朝採りの「とちひめ」。希少価値の高いイチゴを楽しめるのも地元だからこそ
かき氷で世界中の人をこの街に呼びたいと志す「寿氷」店主の比氣寿さん

自分が生まれ育ったこの街を、子どもたちに誇れる街に

古い街並みを大切にしつつ、新しいスポットを増やし、新しい文化を発信し、ここにしかない街を作り上げていく。それが、僕たちが未来に向けて担う大きな役割だと思っています。

風情ある歴史や文化にふれながら、おしゃれで個性的な店巡りが楽しめるのは、ここ荒町周辺ならではの魅力だと僕は自負しています。今では「まちあるき駐車場」も完備され、多くの人に街歩きを楽しんでもらえる場所になりました。

“好きなもの”を目指して荒町に来てもらい、そしてまた、新しい“好きなもの”に出会って街をもっと好きになってもらう。そんな“好きの連鎖”が、街づくりにつながるんじゃないでしょうか。

僕のお店「寿氷」では1月は幻のいちご「とちひめ」のシーズン。真冬にかき氷って?と思われるかもしれませんがこの季節にしか味わえない、自慢のかき氷なんです。まだ、この街に来たことのない人は、ぜひ立ち寄っていただきたいですね。きっとこの街を気に入ってくれると思いますよ。

30㎝以上の高さを誇る自慢のかき氷。インパクトのあるビジュアルに思わず笑みがこぼれる
一年を通し、四季折々の旬の果物を使った生シロップが人気の秘密

寿氷-juhyo-

寿氷-juhyo-世界一を目指すかき氷
真岡市荒町5161
※営業時間・定休日はFacebook・Twitterで要確認
https://www.facebook.com/juhyomoka

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