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見所がたっぷりの野木町。ダムカードや橋カードももらえます!

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見所がたっぷりの野木町。ダムカードや橋カードももらえます!

栃木県の最南部「野木町」を紹介します

今回は、どこを散策しようかと考えていたのですが、どうも県北に偏ってしまう感じが。これではいかん!と思い、地図を見ながら考えました。南でいくと……、足利の歴史は興味深い。小山は散策したいところがたくさんある。佐野のあの城もいい……。

そんなとき、2年前に仕事で2ヶ月ぐらい通っていたあの町を思い出しました。野木町!ぴったりだ!栃木県の最南部。何か面白いものもありそうだ。ということで、今回は野木町を散策することにします。

迫力満点の煉瓦窯!

野木町散策のスタートは旧下野煉化製造会社煉瓦窯(通称、野木町煉瓦窯)。ドイツ人ホフマンが考案した様式の煉瓦窯で、明治期に建設され、昭和46年までに多くの赤レンガを生産し、日本の近代化を支えてきました。

この建物、高さは東京タワーの約10分の1の34.67メートル、周囲は100メートルと数字にするとたいしたことはないように思えますが、見るとその存在感に驚きます。創業時から約130年経過した現在でも、ほぼ原型のままで存在しており、昭和54年に国の重要文化財に指定され、さらに平成19年には、「近代化産業遺産群」の一つに選定されました。

この煉瓦窯を見学します!(入場料100円を払うと内部も見学できます)野木ホフマン館という施設に入ると、カフェもあり、煉瓦窯や渡良瀬遊水池の歴史なども見ることができます。ヘルメットを着用して見学するのですが、内部はそんなに狭くはないです。レンガを近くで見ると規則性のある積み方で重なっていおり、とても味わいがあります。

ほかにもある!赤レンガの建物

趣あるレンガ造りの建築物はここ以外でも県内の至る所で見ることができます。国の有形文化財に登録されているものだけでも、宇都宮市の中央女子高の赤レンガ倉庫、小山市の西堀酒造煙突、野木町の新井家ふるさと記念館(旧新井製糸場)などがあります。ほかには有名な日光の金谷ホテル、足尾銅山などに使われています。

驚いたことにあの東京駅の駅舎にも、こちらの赤レンガが使われているようです。明治期の建築物にはレンガは欠かせないモノだったのでしょう。製造されたレンガには刻印が入っているようで、もしかするとあなたの街にもここで作られたレンガが使われているかもしれません。

ダムカードってなに?

ホフマン館で、気になったのは「ダムカードあります」の張り紙。ダムカード。なんとなく存在は知っていましたが、実物を見るのは初めて。ダムカードはダムマニアの声から国交省が作ったということですが、マニアの声で国が動くというのも驚きです。さらに驚いたのは、ダムカードには、公式と非公式があり県内だけで31枚も配布してます(全国では公式だけで600枚以上!)。ダムってそんなにあるのかと驚きますよね。

ダムの迫力、魅力

そういう私もダムを見学した時には、人の作る建造物で最大級の大きさ、その迫力に感動します。ダムマニアの気持ちはよーくわかります。ダムカードやダムカレーなんてものがダムに興味のない人にも認知されるってことはダムには人を惹きつける魅力がたくさんあるのかも知れません。

事務所的なところに行き、「ダムカードもらえますか?」と聞いたところ、渡されたカードは2枚。1枚はもちろん渡良瀬貯水池のダムカード。もう1枚は?というと、栃木県の発行している「橋カード」でした。

橋カードもある!マンホールカードも?!

橋カードとは栃木県発行しているもので現在24枚のカードがあって県内のいろいろなところで配布しているみたいです。(一部配布終了しているカードがあり、コンプリートは無理です)

ほかに、公共のトレーディングカードだとマンホールカードというのもあるらしいですが、野木町にはありません。県内だと宇都宮市、上三川町、足利市、栃木市、佐野市、鹿沼市、日光市、真岡市、大田原市、那須塩原市、下野市などでもらえます。今度、ダムや橋を観光する方はぜひ気をつけて見てください。

れんが釜飯のランチ!

さて、明治の歴史に触れた後にはお昼にします。野木には「のぎめし」と呼ばれる野木の商工会で企画されたご当地グルメがあります。以前、私は商工会の作るのぎめしマップの写真撮影したことがあり、その中でも印象に残っていたのが『和食処ふみ』の「れんが釜飯」でした。

かなり忠実に再現された煉瓦窯の器には野木産のちぢみほうれんそうとシイタケ、ひまわりの種を使ったトマト味の釜飯が!おこげもあってとても美味しいです。

さらにうれしいことに、野木町のマスコットキャラクター「のぎのん」のプレートがもらえました!のぎめし提供店には看板があるみたいです。この看板のあるお店に入ったら頼んでみてはいかがでしょうか?

日本最大の遊水池、渡良瀬遊水池へ

次に向かうのは渡良瀬遊水池。渡良瀬遊水池は台風の傷跡が残っていましたが、休日のせいか写真を撮る人、テントを張ってゆるキャンプを楽しむ人、ランニングやサイクリングをする人たちなど、思い思いに楽しんでいました。

美しい自然豊かな渡良瀬遊水池ですが、ここには悲しい歴史があります。渡良瀬遊水池のできた理由は洪水の防止のためと言われましたが、本当の目的は足尾鉱山からの鉱毒を沈殿させるためのものでした。そして、鉱毒反対運動の中心地でもある谷中村を廃村にして運動の弱体化を図るのも目的の1つでした。鉱毒被害のため、作物が育たないのを理由に、谷中村は安価で買収され、住み続ける人は逮捕すると脅され、最終的には強制執行などもあり、村は消滅してしまいました。

今でも村の跡を見ることはできます。なお、遊水池は当初は円形になる予定でしたが、谷中村跡地を残すために、ハート型になったそうです。時代劇の撮影に使われそうなロケーションです。ここで夕日でも見ていこうかと思ったのですが、駐車場が16:00で閉まってしまうようで断念。

中西珈琲でひといき

散策の最後にはお茶を飲んでゆっくりしましょう。中西珈琲。

珈琲の香り心地よい店内、時間を忘れて長居してしまいそうです。小腹も減ったのでコーヒーとBLTサンドを頼みました。分厚いベーコンとシャキシャキレタスジューシーなトマト。もちろんコーヒーも美味しかったです。

今回の散策はとてもロケーションのよい場所が多かったです。また、明治の歴史を知る散策でもありました。


千本 義信

1975年、栃木県大田原市で生まれる。中学生の時に親にカメラを買ってもらい、うまく撮れないことが悔しくて写真を撮り続ける。次第にカメラと写真の魅力に取り憑かれる。高校生になって憧れの写真部に入る。大会などにも参加して部長の地位を獲得。この頃には運動も勉強もできない私が進む道はカメラマンしかないと思い込む。高校を卒業し上京、東京ビジュアルアーツ写真学科へ。2年後、ギリギリの成績で卒業。その後、栃木県に帰り、印刷会社や写真スタジオのカメラマンを経て、2012年にフリーランスに。雑誌、企業広告、建築物、料理、商品撮影など、たくさんの人に支えていただき、今日もどこかで撮影中。

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