intervallo(インテルヴァッロ)及川真弘さん
栃木県南部の主要都市・小山は関東平野の真ん中に位置し、道路も電車も東西南北に交通アクセスの良いベッドタウン。人も交通量も多いこの街の、商業地ではなく住宅地に隠れ家のようにひっそりとたたずむ一軒のカフェを目指して、県外からも多くのお客さんがやってきます。カフェの名前は「インテルヴァッロ」。オーナーの及川真弘さんにこの街の魅力について伺いました。
小中学校時代を過ごしたこの地にカフェをオープン
ここは私が小中学校時代を過ごした学区内で、実家は歩いて10分のところにあります。当時は近くにも森や林があり、夏にはよくカブトムシを採りに行っていました。そのころは、ガタガタの砂利道だった城南エリアも、今ではお店がズラリと並び、この辺りも随分と住宅が増え来年には小学校が新設されるほどです。「この街にお店を構えたい」と考えたときに、どんな世代が住んでいるのか調査したんです。その結果、30代から40代の子育て世代で市外や県外からの転入組が多いことがわかりました。
「インテルヴァッロ」というのはイタリア語でサッカーのハーフタイムという意味なのですが、仕事や子育ての合間に息抜きできる場所でありたいという思いからつけた店名です。だからこの店では、季節に合わせた食事や飲み物を味わいながら、それらがお客様のテーブルに並んだことで完成する、くつろぎの空間も楽しんでいただきたいんです。
話をしたくて来てくれるお客さんもいれば、ゆっくりコーヒーを飲みにくる人、友人とランチをするグループもいる。ロフトにはソファーが置いてあるので、昼寝をしてもらってもいいんです。インテリアにしても、音楽にしても、席に座ったときにそこが自分の空間だと思えるような店でありたい。めざすは昭和の純喫茶です(笑)。
地元のつながりが新たな出会いを生む
お店では益子焼の陶芸家・南雲英則さんの陶器を使っているのですが、実はこの土地の元の持ち主の息子さんなんです。南雲さんのお父さんが住まいを建て替える際、その住宅会社の担当が私の同級生で、紹介してもらったのが縁のはじまりで、この土地は「目の前を車がビュンビュン通らない住宅街の秘密基地のような場所」という要望にぴったりでした。
私は大学も地元なので、同級生や後輩からの縁で話をいただくことも多くて、今は出身大学の非常勤講師として個人事業主の立場から現代企業行動論の講義を任されたり、専門学校でバリスタを養成したりと仕事の幅も広がっています。その縁で教え子が、と言っても年上ですが(笑)、来年春から新たにスタッフとして加わってくれることになりました。
仲間と街の未来を考える
今、さまざまな場所でマルシェのようなイベントがありますよね。小山市もリニューアルした小山御殿広場で開催されていて、大学の後輩が市役所でそのイベントを担当している縁もあり、よく見に行っています。お店としては小山の花火大会にケータリングカーを出したり、革職人や古物商の友人と「アンティーコ」というユニットを組んでバルーンフェスタに出店したりと、積極的に参加しています。
近所に支店がある「ドラヤキワダヤ」の店主や、小山駅近くの「小山市まちの駅 思季彩館」の店主は同世代で、起業したころはよく集まって語り合っていました。今は皆、忙しく、以前のようには時間がとれなくなってしまいましたが、それでも年に数回は集まって、お店のことやこの街の未来について語りだすと話は尽きません。
小山市は交通アクセスも良く便利な場所だけに、週末には電車や車に乗って市外に出掛けてしまう人が多いんです。私たちはそこを変えていきたい。暮らしに便利というベッドタウンとしての魅力にプラス、週末も地元で遊べる街、また外から遊びに来たくなる街、気軽に立ち寄れる街を目指して、お店から、自分自身から、そして地域の仲間とのつながりから、コンテンツを発信していきたいと考えています。
〒323-0824 小山市雨ケ谷新田73-121
電話/ 0285-29-0027
営業時間 / 12:00〜22:00(ランチL.O.14:00、ディナーL.O.21:00)
定休日 / 不定休
http://www.intervallo2008.com/