シンガーソングライター
宇都宮市在住。2009年から音楽活動をスタート。これまで4枚のミニアルバムを発表。2012年に第1子を出産。現在はラジオのサウンドロゴや作曲の仕事も行いながら、イラストレーター・アライマリヤさんとの映像ユニット「マリアル」、織物作家「hoen?」と多方面で活躍。趣味はファミリーキャンプ、雑貨屋巡り、帽子集め、街歩きなど。
栃木県の県庁所在地である宇都宮市。市の中心部である塙田付近は、意外にも緑が多く路地もたくさんあって、街歩きを楽しむのにぴったりの街です。今回は「大の散歩好き」という、宇都宮市在住のシンガーソングライター・arcoさんに、この街との出会いと魅力についてお伺いしました。
「栃木ってどこだろう?」から「栃木って楽しい!」へ
結婚を機に宇都宮に移住し、あっという間に丸8年が経ちました。今では3人の子どもたちに恵まれ、義母とともに家族6人で毎日楽しく暮らしています。そもそも東京都品川区出身の私がこの街に住むことになったのは、都内で開かれた音楽イベントで夫と出会ったのがきっかけです。当時、夫が栃木に住んでいてイベントの際に都内を訪れているのは知っていましたが、私自身はというと栃木ってどこだろう……って感じで、お付き合いするまでは一度も栃木へ来たことがありませんでした。それが、遊びに来てみたら一変。「栃木楽しいー!」ってなっちゃって(笑)。
都内で会うとなると、どこも混んでいるし駐車場も高いし、思うように行動できないんですが、東京育ちの私にとって、いろんなものがある便利さよりも、時間を気にすることなく自由気ままにその日に行きたいところ、見たい場所に行ける栃木が魅力的に思えたんです。それで結局、夫とは栃木で会うことが多くなり、結婚までの4年半の間、毎週末、宇都宮にやってくるという遠距離恋愛が始まったんです。
車ではなく街を歩くこと。そこで出会った、たくさんの縁
結婚前は、平日は会社に、金曜の夜に宿泊セットとギターを抱え電車で宇都宮に。そして月曜の朝、東京に戻るというルーティン。夫が仕事の時は、街歩きや雑貨屋が大好きなので、よく一人で市内をウロウロしていました。
宇都宮の街中には商店街もあるし、釜川添いにはおしゃれなお店も多くて、私の地元と雰囲気がよく似ているんです。下町のような感じとか、人との距離感とか。都内暮らしで車の免許を持っていないので、歩くことが日常の私にしてみれば、街中での人とのふれあいや偶然の出会いがあることが楽しみ! 車移動では得られない、市街地ならではのつながりができるんですよね。だから、これからも免許はなくてもいいかなーなんて思っています(笑)。
音楽活動を本格的にスタートしたのもその頃で、音楽を通じて知り合いになる人も多かったですね。バンバ広場でイベントを行う企業の方や、ミニライブができるカフェのオーナーさん、CDを置いてくれる雑貨屋さんなど、地元アーティストを応援してくれる場所や人とのご縁があって、宇都宮での活動もスムーズにできるようになりました。結婚するころには、もうすっかり地元民(笑)。夫より、友達が多くなっていたほどです。
みんなと一緒にこの街で暮らす。街中ならではのあたたかな関係
子どもが生まれると、不思議なことにますますこの街に住み着いた感が強くなりました。夫婦だけのときは、どこに住んで何をしてもいいやって感じでしたけれど、こんなに地域密着型の暮らしになるなんて思ってもみませんでしたね。義母との同居もそうですけれど、地域の皆さんがいい人ばかりで、自分たちだけで暮らしているというのではなく、みんなと一緒にこの街で暮らしているって感覚なんです。それくらい地域の存在が大きいですね。あたたかなお付き合いをさせていただいて、ありがたい限りです。
市街地で暮らしていることもあり、普段は街中に買い物に行きます。お店の人とのやりとりも、道端でバッタリ会った友達との立ち話も楽しみのひとつ。街を歩き、人と会えることが自分にとっての一番の元気のもとなんです。ただそれだけで一日がハッピーになる。それができることが、街中での暮らしの魅力なんじゃないかな。便利なのにちょっと歩けば緑も多く、公園や図書館も。子育てをするのにもいい環境だと思っています。この春、長男は小学1年生に。新しい暮らしの始まりにワクワクしています。