三重県に生まれる。同志社大学で環境学を学び、卒業後、研修を経て有機農業で独立。現在は壬生で年間約70種類の野菜を栽培する。農薬・化学肥料を一切使わずに有機肥料のみで野菜を育てるために、日々、虫や雑草と奮闘している。
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有機農業ってどんな農業かご存知ですか?私が農業に興味をもった時は、有機農業ってなんとなく人とか地球に優しそう、というイメージはありましたが、実際のところどんな農業なのだろう?と思った記憶があります。
一般的にはそんなイメージなのかな、という気がするので、今回は有機農業について話します。一般的に行われている農業と比較して、有機農法は大きな違いが二つありますので、まずはそこをご紹介したいと思います。
有機肥料を使う
まず一つ目の違いは肥料です。有機農業というだけあって有機肥料を使います。化学肥料は一切使いません。では有機肥料と化学肥料の違いとはなんでしょう?
有機肥料とは、動物や植物など、生物由来の肥料です。代表的なものを挙げると、牛糞、鶏糞、豚糞など糞を醗酵させて乾燥させたもの、イネや麦のわら、米を精米するときに出る米ぬか、油を搾ったときにでる油かす、他にはカニの殻を砕いたカニ殻なんてものもあります。
それに対して化学肥料は鉱物などの無機物を原料として化学的に製造された肥料のことです。化学肥料は有機肥料と比べて成分が安定していて量の調節がしやすい、高濃度なので散布する労力が少なくて済む、安価である、などの理由があるために一般的な農業にはこちらが使われています。
農薬を使わない
そして二つ目は農薬を使わないこと。人間と同様、虫も野菜が大好きです。野菜を育てていると虫が寄ってきます。一般的な農業では、虫がつかないように予防したり、ついた虫を殺すために農薬を使います。また、野菜も病気にかかるので、その予防や治療のためにも農薬を散布します。その他には雑草や雑草の種を枯らすための除草剤も農薬に分類されます。
うちではそれらの農薬は一切使用しません。代表的な虫対策としては防虫ネットです。単純に、野菜を目の細かいネットで覆って虫から守る、という方法です。病気に関してはできるだけかからないように畑づくりをするということぐらいで、病気になってしまったらお手上げです。
一つの野菜に絞って育てて病気で全滅してしまうと収入がなくなってしまうので、多品目を育てているのもある意味では病気対策になっています。
夏場は草とのたたかい!
雑草はできるだけ機械で生えないように管理をし、畑に麦わらや稲わらを敷いて草が生えないように対策を施しています。しかし草の勢いは凄まじくてなかなか抑えきれるものではありませんので、夏は毎日が草とのたたかいになります。
一般的な農業と有機農業の大きな違いは上記の二つです。今回は栽培方法についてのお話のみになってしまいましたが、なんとなく違いはわかっていただけたと思います。次回はそれをふまえて食の安全・安心についてお話してみようと思います。