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有機農業の楽しき日々

掲載日: くらし人
有機農業の楽しき日々
家族でサツマイモを掘りました。子どもたちは顔以上に大きなサツマイモを手に、大喜びです。
伊藤 博人

三重県に生まれる。同志社大学で環境学を学び、卒業後、研修を経て有機農業で独立。現在は壬生で年間約70種類の野菜を栽培する。農薬・化学肥料を一切使わずに有機肥料のみで野菜を育てるために、日々、虫や雑草と奮闘している。
https://www.utatanefarm.com/

有機農業を始めたきっかけ

壬生町で有機農業を営む

はじめまして。栃木県の壬生町で有機農業をしている伊藤と申します。ひょんなことからご縁をいただきこちらで有機農業についての記事を書かせていただくことになりました。

さて、初回は自己紹介をさせていただきます。冒頭でも書きましたが、壬生町にて有機農業をしています。年間70種類の野菜を育てており、野菜セットの宅配等をしています。親や親戚が農業をしていたわけでもなく、ゼロから新規で農業を始めました。就農して6年目のまだまだ新米農家でございます。年齢は35歳、妻と4人の子どもがいます。

生命に欠かせない職業に就きたい

なぜ農業をしようと思ったの?と聞かれることがよくあります。そのきっかけは環境学を学んでいた大学生時代にあります。漠然となにか環境に優しい仕事をしたいと考えながら学生生活を過ごしているうちに就職活動の時期になりました。

環境に優しいと一口に言ってもさまざまです。基本的に企業は「人々の生活を豊かにして、自らの利益を出す」というものが多いです。その中に入り、環境負荷を低減するという仕事もあります。

ですが、私は「人々の生活を豊かにする」というよりも、もっと「人々が生命を営むために欠かせない」職業に就きたいと思ました。そして「食」の分野に興味をもち、その中でも一番欠かすことのできない農業に興味を持ちました。

サトイモはこんな感じでできます。見たことがない人はけっこう驚かれますが、親芋に、たくさんの子芋がついていて収穫するのも楽しいです。

身近なエネルギーを循環できる

調べていくと、有機農業は、落ち葉、稲わら、鶏糞、牛糞を発酵させた堆肥などの身近に手に入る肥料で野菜を育てるということや、家庭の生ごみを堆肥化して畑に還元したり、栽培した野菜のクズを家畜のエサにしたりと、身近なところでエネルギーを循環できるということを知りました。この循環システムこそ自分の求めていた理想の形であるような気がして有機農業に惹かれていきました。

キアゲハの幼虫で、人参の葉っぱを食べる害虫です。ですが食べる量が少なく、大量発生したこともなく被害はほぼゼロです。

農業体験で将来の自分をイメージした

しかし、いきなり農業の世界に足を踏み出す勇気もなく、まずは有機農家さんの所へ農業体験をしに行きました。開放感のある空の下、長靴を履き、畑の土を踏みしめ、汗をかきながら、泥まみれになりながら仕事のお手伝いをしました。それはなんとも気持ちのいいものでした。

わが家の朝ごはんの定番のサンドイッチ。マヨネーズ、粒マスタードを塗ってルッコラ、赤リアスからし菜、水菜などの野菜に、ハム、チーズをはさみます。見つけても、いっぱい食べて大きくなれよ、ぐらいな気持ちにさえなります(笑)。

その後で食べた野菜のおいしいこと!さらにその野菜が食べ放題!体を動かすことが好きで、食いしん坊な自分にはそれだけでもかなり魅力的でした。

その体験をもとに将来の自分をイメージした時に、そのような環境で家族と一緒に過ごせたら幸せだろうなと思いました。それは環境問題云々という難しい話は抜きにして、それだけでも挑戦する価値はあるな、と思えるほどでした。こうして有機農業への道へと進みはじめました。

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