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那須野が原のおすすめスポットはここ!

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那須野が原のおすすめスポットはここ!

カッコいい晩翠橋(ばんすいきょう)!

今日はすっきり空も晴れて気持ちがいいので、那須塩原市、黒磯方面に出かけたいと思います。まずはスタート地点の晩翠橋に9時に到着!

ちなみに、晩翠橋は「とちぎ橋カード」のある橋のひとつですので、興味のある方は、道の駅「明治の森・黒磯」でたずねてみてください。

石造りのカフェ・ド・グランボア

黒磯駅周辺を歩いてみるとなんとも味のある建物が多くあります。どれも共通して歴史を感じる建物だけどその中でも石造りで一際目立つ建物が!カフェ・ド・グランボワです。

大正5年に建てられたこの建物は昭和10年までは銀行として使用され、平成14年には国の登録有形文化財に登録されています。まさに黒磯の歴史を見てきた建物です。中に入ると大きな時計と格天井がなんともレトロな雰囲気をかもしだしています。

そしてカウンターの中から美人なママさんが迎えてくれます。カフェ・ド・グランボワは39年前に始まってこちらの建物に移転してからは24年の歴史があります。

じつは、10年ほど前までは、このグランボワのわりと近くに住んでいたので、けっこう通っていたのです。ここに来たら、これを食べなくては!グランボワライス。

もともとは有名店のまかないメニューだったもので、ナスとパプリカ、ひき肉の炒めたものがバターライスにのっています。シンプルでめちゃくちゃ美味い。大葉のさわやかさも相まってモリモリ食べられます。朝ごはんを抜いてきた甲斐がありました。厨房で美味しい料理を作ってくれるHさん、やさしい笑顔のマスターとのお話も楽しくて、時間が過ぎるのを忘れてしまいます。

「みるる」と「くるる」は新名所に?

店を出て駅のほうに向かうと工事中の建物が!この建物は一体なんだろうと近づいてみると、那須塩原市図書館「みるる」の看板。

建物が近代的でカッコいいですね。これは新名所の予感!この「みるる」とともに新しい黒磯を感じさせる建物が「くるる」。

こちらは「まちなか交流センター」というのが正式名称で、その名の通りいろいろなイベントをやっているようです。

埼玉(さきたま)飛行場跡

車で10分ほど、那須方面に走ります。この地区だけ、碁盤の目のように直線道路が通っています。「なんだかここは直線道路が多いな」と気づく人がいるかもしれませんが、ほとんどの方は通り過ぎてしまうと思います。そこは埼玉飛行場跡。埼玉と書いて「さきたま」と読みます。じつはこのあたり、旧陸軍の飛行場があった場所です。

当時はここで若いパイロットが訓練で経験を積んだのち、戦線に向かう飛行訓練所のような場所でした。戦況の悪化とともに空襲の被害にもあい、終戦間近には特攻機も出撃していたようです。終戦後、農地などになりましたが、その名残がこの直線道路です。ここから青年たちが飛び立っていったのかと思うと、なんともいえない気分になります。

ちなみに、日本で最初の飛行場は埼玉県の所沢にあります。現在、飛行場はありませんが、所沢航空記念公園になっています。敷地内には所沢航空発祥記念館があって日本の飛行機の歴史を知ることができます。私の大好きなスポットで古い飛行機やエンジンなんかも見られます。

豊かな農地の源、那須疏水

車で走ること10分ほど。目指す場所は那須疏水(そすい)公園です。

那須疏水とは、栃木県北部那須野が原地区の農業用水や飲料水を供給するための用水路で、少なからず、県北に住んでいる人たちはなんらかの恩恵を受けていて、とくに農業をしている人なら知らない人はいない(はず)です。

那須疏水は明治18年から工事が行われ、明治38年、昭和3年にも拡張工事が行われて福島県の安積疏水、滋賀県の琵琶湖疎水と並ぶ日本3大疏水の一つとなります。この那須疏水のおかげで那須塩原地区は豊かな農地となりました。

今の季節は厳しいですが、夏には水遊びもできそうな感じです。驚くほど澄んだ綺麗な川となかなかの絶景。冬の景色もいいものです。

白い洋館、旧青木家那須別邸

さらに車で15分、道の駅「明治の森・黒磯」を目指します。この那須野が原地区には、歴史の教科書に出るような明治の有名人が農地を持ち、別邸が数多く存在します。最初にお邪魔するのは、道の駅の奥、旧青木家那須別邸。

観覧料は200円でストロボを使わなければ撮影もできます。明治21年に当時、ドイツ公使や外務大臣を努めた子爵青木周蔵の別邸として建てられました。

建物もドイツ風建築で見所もたくさんなのですが、私が気になったのは青木周蔵と妻エリザベートとの間に生まれた娘ハナ。きっと今ならハーフモデルとかタレントになって活躍しそうな美しさで写真や等身大パネルなんかも展示されています。

万歳閣ともいわれる松方別邸

車で約20分、続いてお邪魔したのは松方別邸。千本松牧場の奥、柵の外から外観のみ見ることができます。(現在も松方家の所有になっています)

この建物は内閣総理大臣を2回務めた松方正義の別邸として明治36年に建てられました。この建物には別名があります。明治37年にのちの大正天皇が御駐泊の時、日露戦争で遼陽陥落の知らせを聞き、皆で万歳をしたことから「万歳閣」の別名があります。

10分ほど移動すると、現在は那須野が原博物館になっていますが、「三島農場事務所跡」とあり、当時の栃木県の県令(今の知事にあたる)であった三島通庸(みしまみちつね)の農場の跡地になります。

ちなみに昨年の大河ドラマ「いだてん」の主人公、金栗四三とともに日本人初のオリンピック選手になった三島弥彦は三島通庸の五男。すごい家系ですね。

大山別邸へも

次に向かったのは車で10分の大山別邸。明治の軍人大山巌(おおやまいわお)元帥の別邸として明治末期に建てられました。現在、大山巌が居住した洋館と和館が遺され、「大山記念館」として栃木県の有形文化財になっています。この大山別邸は現在、那須拓陽高校の大山農場内にあり、見学には1週間前までに許可が必要です(那須拓陽高校事務室)。

私は許可をもらっていなかったので撮影は断念。紹介できないのが残念なのですが、興味のある方はホームページで見てください。じつは那須拓陽高校は私の母校で、農業経営科だった私は大山農場で農作業をしていましたので大山別邸を当時、いつも眺めていました。

乃木農場

大山農場は米や野菜、果樹などの農場なのですが、那須拓陽高校内に、もう一つ乃木農場という畜産を中心とする農場があります。また、農場の近くに明治の軍人乃木希典を祀る乃木神社があります。宝物殿などもあり、とても立派な神社です。

乃木神社には「乃木希典那須野旧宅」もあります。乃木別邸は明治25年に建築されました。平成2年に過激派の放火により焼失してしまいましたが、平成5年に復元され、現在に至ります。乃木将軍は休職中、この別邸で過ごしたといいます。

ちなみに、矢板にも山縣有朋と矢板武の別邸がありますので、それは矢板のほうへ散策の機会があったら紹介したいと思います。

その奥には静沼と呼ばれる池があり鴨と鯉が見られます。のどかな風景で、地元の人の憩いの場所になっています。

敷地内には農作業に使った道具なども保管されています。また乃木将軍の石像も見られます。

ちょっと脱線、乃木将軍の話

乃木希典将軍に関しては、司馬遼太郎の「坂の上の雲」や「殉死」などのイメージがあると思うのですが、司馬の史観では乃木将軍に対しての不当な評価が多く、これではあまりにも乃木将軍が気の毒で……。私は、司馬遼太郎が嫌いなわけでもないし、「坂の上の雲」は大好きなお話です。

ちなみに、司馬遼太郎といえば、名前の由来は、中国の史記を書いた「司馬遷」から「司馬」をとり、それに遼(はるか)に及ばない日本の男(太郎)ということで「司馬遼太郎」としたとのこと。

司馬遷は中国前漢時代の歴史家ですが、当時の中国では皇帝が変わるたびに過去の皇帝の功績が消されて建築物や美術品などをすべて壊していたそうです。司馬遷は、これでは歴史どころか文化も残らない、過去の歴史から何かを学ぶことができない、権力者に気を使った歴史書では意味がない、という気概をもって歴史書を書いたといわれます。しかし、権力者に目をつけられて腐刑(死刑につぐ重刑です。男子は生殖機能をとるという厳しい刑です)という処罰を受けますが、それでも書き続けたのが「史記」です。

司馬遷にあやかるならば、司馬遼太郎にはもう少し、乃木希典については調べて書いてほしいと思いました。「坂の上の雲」は歴史小説(フィクション)とはいえ、その中で乃木希典は愚将として描かれています。それを見た方の中には、乃木希典を誤解する方もいるように思います。もし、少しでも興味を持った方がいましたら、ぜひ、乃木将軍のことを調べてみてください。

トリットオッカの生ほうれんそうパスタ

毎度の脱線を繰り返し、那須野が原の歴史を探索したらお腹が減りました。レストラン「トリットオッカ」。このレストランは那須拓用高校の同級生がやっています。

高校卒業後、友人が働いていたレストランに偶然、私がバイトで入ってバッタリ再会。思えば友人は当時から料理の腕前がすばらしく、当時、私が「あそこのレストランの〇〇が美味しい!」と言うと、次のバイト日に再現料理を作ってくれたものでした。もちろん、味は完璧です。

彼の夢でもある自分の店、トリットオッカが出来て約10年。この店のおすすめは、生ほうれんそうのパスタ。和風の味付けでクセになる味です。

チョウザメ肉のカレー

店で気になる看板を目にしました。那須キャビア。レストランでキャビアを使ったメニューがないのか聞いてみたところ、キャビアは入っていませんが、チョウザメ肉のカレーが食べられるとのこと。チョウザメのお肉がゴロゴロ入っているので高価かと思いきや、金額は1,200円と良心的で、サラダとデザート、ドリンクが付いてます!チョウザメの肉は美味しいかどうか、まずは食べてみることにします。

お肉の味は……。ふむふむ、うまい!臭みもなく、食べ応えもあり、カレーによく合う。チョウザメって食べられるって知りませんでした。お寿司にしても美味しいらしいです。ともかくボリュームたっぷり大満足のランチでした。


千本 義信

1975年、栃木県大田原市で生まれる。中学生の時に親にカメラを買ってもらい、うまく撮れないことが悔しくて写真を撮り続ける。次第にカメラと写真の魅力に取り憑かれる。高校生になって憧れの写真部に入る。大会などにも参加して部長の地位を獲得。この頃には運動も勉強もできない私が進む道はカメラマンしかないと思い込む。高校を卒業し上京、東京ビジュアルアーツ写真学科へ。2年後、ギリギリの成績で卒業。その後、栃木県に帰り、印刷会社や写真スタジオのカメラマンを経て、2012年にフリーランスに。雑誌、企業広告、建築物、料理、商品撮影など、たくさんの人に支えていただき、今日もどこかで撮影中。

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