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くらし人

自然の中でギャラリーカフェを営む暮らし

掲載日: くらし人
自然の中でギャラリーカフェを営む暮らし
那珂川町の森のなかに佇むギャラリーカフェ「Cafe + Gallery Komorebi」
渡辺 容子さん

那珂川町のオートキャンプ場「サンタヒルズ」内のギャラリーカフェ「Cafe + Gallery Komorebi」オーナー兼「Komorebi Colors」のデザイナー。さらに4児の母親としても、多忙な毎日を送る。趣味は歌とダンス。
 https://www.cafe-komorebi.com

キャンプ場の敷地内で、ゆっくりとした時間が流れるカフェ

那珂川町にある人気のオートキャンプ場「サンタヒルズ」。そのキャンプ場の敷地内に佇む「Cafe + Gallery Komorebi」ここは、渡辺さんがオーナーをつとめるカフェです。カフェ内のギャラリースペースに展示されているのは、衣料品やアクセサリー、雑貨小物など、渡辺さんがセレクトした、さまざまなクリエイター作品。そのなかに「Komorebi Colors」として、渡辺さん自身がデザイン・製作を手がけた、服や小物などのアイテムも並んでいます。

ご家族が自ら手掛けたという温もりあるカフェ空間。
地元の野菜をふんだんに使った料理はどれも人気。四季折々の味わいを楽しめる。

服づくりを仕事に活かしたい

服飾デザイナーとしての夢をもち、高校を卒業後、都内のデザイン専門学校に進学した渡辺さん。服作りに興味をもったのは、手先の器用なお母さまが、渡辺さんのために洋服を手作りしてくれていたことがきっかけだったといいます。

卒業を前に、ファッション業界に次々と就職を決めていく同級生たち。その一方で、企業に勤め、その年の流行に沿った製作をしていく自分の姿を思い描くことができなかった渡辺さんは、何かに流されることなく、マイペースで自由に服作りを楽しんでいけたらと、栃木で創作活動をすることを決意します。

販売スペースには渡辺さんがデザイン・制作する「Komorebi Colors」の作品も。

「Komorebi Colors」の誕生

「自分でできる範囲で服作りをしたほうが、自分らしいなって…。ただそれを実現するためには、当然ながら収入が必要になってきますよね。そんなとき、ちょうど両親が経理するキャンプ場「サンタヒルズ」内に小さなカフェを作りたいと考えていたんです。高校は家政科でしたし、飲食店勤務の経験もあったので、カフェで得た収入のなかから、服作りができるんじゃないかと思いました」

こうして専門学校を卒業した渡辺さんは、地元に戻り、カフェオープンに向けての準備に着手。20歳という若さにして「Cafe + Gallery Komorebi」のオーナー兼「Komorebi Colors」のデザイナーとして、新たなスタートを切ったのでした。

手作りされた洋服はどれも1点もの。絶妙なグラデーションが美しいストールは、渡辺さんが染めたもの。

自然に寄り添う作品を作りたい

オーガニックコットン・インドシルク・リネン・革など、さまざまな良質な天然素材をミックスさせ、身にまとえばキリッと凛とした気持ちになれる「Komorebi Colors」の服や小物。さらに、使用する生地を、キャンプ場を囲う森から摂取した季節の草花で草木染めをしたり、地元の織物作家さんとコラボレーションをしたりと、この場所だからこそできる作品づくりを心から楽しんでいる渡辺さん。

「活動当初は、どちらかというと派手なイメージの作品を作ってみようと思っていたのに、いつの間にか自然に寄り添えるものに変わっていったんです。四季折々の草花、光、風…そんな自然の力にあふれたこの森で過ごす毎日が、私自身のスタイルに変化をもたらしてくれました。特に、その年の気候、生えている場所、日の当たり方で色の出方も変化する草木染めは、そのときの色との出会いが楽しみなんです」

カフェに併設されたギャラリースペース。作家個人の展示会ばかりでなく、イラストレーターと革作家がコラボレーションするなど、さまざまな表現空間を提案。

4人の子どもたちも積極的に仕事に参加

渡辺さんのお住まいは、店からほど近い森の中。ご主人や親族もキャンプ場の仕事をしているため、4人のお子さんも休みとなると、多忙な渡辺さんを助けるように、積極的に自宅やカフェ、それぞれでお手伝いをしてくれるのだとか。

「4人の子育てを一人で…という感じではなく、両親や兄夫婦、みんなで子育てをしている感覚なんですよね。私たちの働く姿をみせながら、この森と共に暮らすことは、子どもたちにとって、それぞれにいい影響があるんじゃないかなと思っています」

そして、中学2年生を筆頭に、これからの進路について考え始めた子どもたちについて、こう感じています。

「私自身、進路を決めなければいけない時期に、何をやりたいかがわからないのではなく、やりたいことが多すぎて、何を選んでいいかわからなくなってしまうほどだったんです。それは、幼い頃から興味があることを、惜しみなくやらせてくれた両親のおかげ。私のことをいつも応援してくれた両親には、本当に感謝しています。すべての経験は、その先の未来につながるんだよということを、私も子どもたちに伝えていきたいですね」

自然に囲まれた住まいで健やかに育つ渡辺さんのお子さんたち。

自然に囲まれた暮らしが楽しい

農家をしたくて、他所から移住してくるほど、農業への意識が高い人が多く暮らす那珂川町。カフェで提供している料理もオープン当時と比べて、地場産の無農薬野菜を取り入れるなど、渡辺さん自身も自然志向にシフトチェンジしていったといいます。

「自然に囲まれた暮らしを重ねるごとに、不思議と服も料理も自然に寄り添うものになっていきました。これからもこの場所での暮らしが、楽しみでなりません」

移りゆく自然と共に、自分らしい生き方を叶えてくれる居場所。心の拠り所を手にした渡辺さんのこれからは、一体どんな色に彩られていくのでしょう。

仲睦まじい渡辺さんご一家。自然と共に暮らす地元の人たちとのふれあいを通じて、自分らしい生き方を見出すことができた。
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